昆虫を始めとする生物や、化石、鉱物等の標本は鮮明に撮影して残しておく必要があります。
特に論文等に写真を掲載する場合は、非常に重要な資料となりますので、ブラックバックやホワイトバックにした綺麗な写真を載せる必要があります。
そこで、本記事では、標本写真の撮り方とおすすめのライトや撮影台等のカメラ機材を紹介していきたいと思います!
標本写真の撮影に必要なおすすめ機材
一眼レフカメラ
標本の撮影でまず購入しなければならないのが一眼レフカメラです。綺麗な写真を撮るなら必須アイテムです。ただ、今回の用途であれば、そんなに高いカメラは必要ありません。
一世代前くらいの中級機を中古で購入すれば、値段も安く抑えられると思います。
おすすめは、やはりCanonです。Canonは1番メジャーなカメラメーカーで交換レンズも沢山あるので迷ったらCanonのAPS-Cサイズの中級機を買うのがオススメです。
マクロレンズ
マクロレンズは、標本や小さな被写体の撮影に特化して設計されたレンズです。
マクロレンズの中でもAPS-Cサイズで60mm、フルサイズであれば100mmくらいの焦点距離のレンズが使いやすくておすすめです。
以下に、マクロレンズが標本撮影におすすめされる理由をいくつか挙げます。
近接撮影能力
マクロレンズは、非常に近い距離から撮影することができます。これにより、微小な標本の詳細や細部を拡大して捉えることができます。例えば、花や昆虫の撮影など、細かな構造や模様を鮮明に捉えることができます。
拡大倍率
マクロレンズは、一般的な標準レンズよりも大きな拡大倍率を持っています。これにより、小さな標本をフレームいっぱいに拡大して撮影することができます。標本の微細な詳細を捉えたい場合や、小さな被写体を大きく映し出したい場合に役立ちます。
良好な解像力
マクロレンズは、高い解像力を持っています。これは、標本の微細な特徴や模様を鮮明に再現することができるためです。マクロ撮影では、高い解像度が求められることが多いため、この特性は重要です。
背景のぼかし効果
マクロレンズは、被写体を際立たせるために背景をぼかすことができます。被写体と背景の距離が近い場合でも、マクロレンズの浅い被写界深度(DOF)によって、被写体を引き立たせることができます。これにより、標本を美しく際立たせることができます。
これらの理由から、標本撮影においてはマクロレンズがおすすめされます。マクロレンズは、標本の微細な詳細や細部を捉えるための優れたツールであり、美しいマクロ写真を撮影するのに役立ちます。
ライト・撮影台
標本を撮影するためにはライトと撮影台も重要なアイテムとなってきます。
1番手っ取り早いのは、ライト付きの撮影代を購入してしまうのが便利です。
こちらの利点としては、ひとつ買うだけですべてそろうと言うところと、非常に扱い易いというところです。
ライト付きのコピースタンドは値段高い場合が多いため、コピースタンドとライトを別で購入するのもおすすめです。
ライトはある程度の光量があれば何でもいいのですが、スピードライトを2つ用意すると非常に綺麗な写真が撮れておすすめです。
ただコピースタンドは結構高価なのがネックです。使い勝手は悪くなりますが、普通の三脚でも、真下を向かせることが出来ますので、代用は可能です。
無反射ガラス
標本撮影をする上で以外と重要となってくるのがこの無反射ガラスです。
無反射ガラスを使うことで、ブラックバック、ホワイトバックにした時も背景が変に反射することなく均一な背景となり、被写体となる標本がより映える写真を撮ることが出来ます。
標本写真の撮影方法
被写体の準備
標本を撮影する際には、まず被写体を準備します。昆虫などであれば綺麗に展翅されているものを用いるとより映える写真となります。
背景
背景は黒か白、いわゆるブラックバックかホワイトバックにするのがオススメです。コントラストがはっきりし、より綺麗な写真を撮ることが出来ます。
被写体の色に応じて白か黒を使い分けるのが良いでしょう!
背景には、白黒の塩ビ版などを用いるのがおすすめです。塩ビ版は安価で加工もしやすく、真っ黒、真っ白の背景を作りやすいです。
塩ビ版だけでは、背景が乱反射してしまう為、塩ビ版の上に無反射ガラスを置き、その上に標本をセットします。
これで被写体と背景の準備は完了です。
カメラの設定と撮影
被写体と背景を撮影台に乗せたら、続いてはカメラの設定と実際の撮影に移ります。
カメラはコピースタンド等にセットし、被写体が最も大きく映る大きさになるまで近づけます。
この際レンズの手ブレ補正はオフにして、マニュアルモードで撮影を行います。
標本は立体的で奥行きがあるため、一般的なカメラ撮影時の設定で撮影しようとすると、被写界深度の浅いマクロレンズで撮影すると一部ボケてしまいます。普通の写真であればボケも良さとして捉えることが出来ますが、標本写真の目的としては、細部までバッチリピントがあっているのがオススメです。
そこでまず、カメラの設定はISO感度を最小にします。ISO感度を最小にすることで、荒さのないより高画質高解像度の綺麗な写真を取ることが出来ます。
続いてF値を設定します。F値は被写界深度に関わってくるので、撮影する被写体の厚みによって変えます。F値をあまり大きくしすぎると、違和感のある写真になってしまう事があるため、標本全体にピントが合うところで設定します。一般にF10~14位が1番パフォーマンスの良い写真を撮影できるみたいです。
F値の設定によって微妙に色合いも変わってくるので、撮影する時は少しずつ設定を変えて何枚か撮影してみるのがおすすめです。
最後にシャッタースピードです。これはF値に合わせて適切な明るさとなるように設定してください。スタンドでカメラを固定しているので、シャッタースピードを遅くしても全然問題はありません。
これらの設定で撮影することで、論文に掲載されているような綺麗な写真を撮影することが出来ます。
是非皆さんもチャレンジしてみてください。
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